
女性必見!甲状腺の病気は何科を受診する?
この臓器は、体のエネルギーを作ったり、新陳代謝をコントロールしたりする役割を果たしています。
特に、女性は甲状腺の病気になりやすく、放置すると月経不順や疲労感、さらには不妊や流産につながることもあります。
この記事では、甲状腺の働きや女性に多い主な病気、受診すべき診療科について解説します。
そもそも甲状腺とは?
この甲状腺で作られる「甲状腺ホルモン」は、私たちの体に必要なエネルギーを作り、体温、脈拍、新陳代謝を調整する役割を持っています。
また、甲状腺ホルモンは妊娠や子どもの成長にも深く関わっています。
ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると、体全体に影響を及ぼし、さまざまな症状が出てくるのです。
女性に多い甲状腺の病気と症状
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
・橋本病
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
特に20~30代の女性に多く、男性の約5倍の割合で発症するとされています。
バセドウ病では、体の新陳代謝が必要以上に活発になり、以下のような症状が見られることがあります。
・動悸や息切れがする
・食欲が増しているのに体重が減少する
・手が震える
・暑がりで汗をかきやすい
・精神的に落ち着かない
・怒りっぽくなる
また、目に特徴的な症状が出ることもあります。
まぶたが腫れる、ものが二重に見える、眼球が突出して見えるなどが代表的です。
バセドウ病の診断は、血液検査と超音波検査で行われます。
血液検査では甲状腺ホルモン(遊離T3、遊離T4)の上昇やTSHの低下、TRAbの陽性を確認します。
さらに超音波検査で甲状腺の腫れや状態を調べます。
バセドウ病の治療には、薬物療法、放射性ヨード治療、手術の3つの方法があります。
薬物療法では、抗甲状腺薬を用いてホルモン分泌を抑えますが、副作用が出る場合もあるため注意が必要です。
放射性ヨード治療は、放射性物質を使い、甲状腺細胞を減らしてホルモンの過剰分泌を抑える方法です。
重症の場合や他の治療が適さない場合には、甲状腺を摘出する手術が選ばれます。
妊娠希望や妊娠中の場合には、慎重に治療法を検討する必要があります。
橋本病
特に30~40代の女性に多く、成人女性の10人に1人、男性の40人に1人が罹患すると推定されています。
炎症が進むと、甲状腺ホルモンが不足し「甲状腺機能低下症」に至ることもあります。
橋本病は、初期では症状が軽いこともあり、気づかないケースも少なくありません。
しかし、甲状腺ホルモンが不足し、次第に以下のような症状が現れることがあります。
・疲れやすさ
・無気力感
・冷え性
・むくみ
・体重増加
・月経不順・月経過多
・便秘
・肌の乾燥
・喉の圧迫感や違和感
これらの症状は、更年期障害やうつ病、自律神経失調症と似ているため、見過ごされがちです。
橋本病の診断には、血液検査と超音波検査が行われます。
血液検査では甲状腺自己抗体(抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体)の測定が行われ、陽性の場合に診断の目安となります。
超音波検査では、甲状腺の炎症や腫れの状態を確認します。
橋本病は、甲状腺ホルモンが正常であれば治療の必要はありません。
ただし、甲状腺機能低下症の場合には、合成甲状腺ホルモンを内服してホルモンバランスを整えます。
妊娠を希望している場合や妊娠中の場合、ホルモンバランスが胎児に影響を与える可能性があるため、早期の治療が重要です。
甲状腺の病気は何科を受診したら良い?
これらの診療科は、甲状腺ホルモンの異常や関連疾患を専門的に診察します。
特に首の腫れ、動悸、体重の急激な変化、疲れやすさなどの症状があれば、早めの受診が大切です。
女性に多い甲状腺の病気は早めの対策を
しかし、甲状腺の異常は早期発見・治療が重要です。
「更年期には早いけれど不調を感じる」と思ったら、内分泌内科や内科を受診してみましょう。