スポーツに励む女性必見!運動性無月経の原因と対策
「スポーツを楽しみたい」
このように考える方にとっては日々のトレーニングはもちろん、身体のコンディションを整えるのも大切なことです。とくに女性の場合は、月経周期と向き合うことも重要です。
スポーツをしていると「月経がなければ、痛みや貧血に悩むこともなくなる」と感じることもあるかもしれません。しかし、月経がないと身体のさまざまな機能に影響を及ぼし、健康を損ねてしまうこともあるのです。
そこで今回は、運動性無月経の原因と対策について解説します。
健やかな身体でスポーツを続けるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
運動性無月経とは
そのため、トレーニングの負荷が強まる時期やシーズン中にだけ無月経になったり、怪我により運動量が減ったときに無月経が改善したりすることもあります。
無月経とはどんな状態?
・18歳を過ぎても初経(初めての月経)がない状態(原発性無月経)
・これまであった月経が3か月以上止まっている状態(続発性無月経)
ちなみに日本人の平均初経年齢は12歳で、17歳までには98%以上の女性で初経があるといわれています。
運動性無月経になりやすい種目
・新体操や体操など、審美系のスポーツ
・陸上長距離やトライアスロンなど、持久系のスポーツ
なおトップアスリートを対象とした調査では、BMIが18.5kg/㎡未満の選手は、18.5kg/㎡以上の選手と比較して無月経の割合が高いとの報告もあります。
運動性無月経が続くとどうなる?
・骨密度が低下し、骨折のリスクが上昇
・妊孕性(にんようせい:妊娠のしやすさ)が低下
・うつ傾向のリスクが上昇
・血管内皮(血管の内側にある細胞)機能が低下
先ほど運動性無月経になりやすい種目として、審美系や持久系の種目を紹介しました。実はこれらの種目では、疲労骨折の経験者割合がほかの競技と比べて高いことも報告されています。
怪我なく運動するためにも、無月経の対策が重要であるとわかりますね。
また、今は妊娠を考えていないから妊孕性が低下してもよいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、過去に無月経などの月経異常があった場合は、スポーツ活動を引退した後も妊孕性に問題が生じる可能性が高まる傾向にあるといわれています。
したがって現時点での妊娠希望状況にかかわらず、将来の妊娠を希望する方は若いうちから月経を整えるとよいでしょう。
もっとも重要な対策は「エネルギーのバランス改善」
そして、エネルギー不足を防ぐための具体的な対策は2つあります。
1.食事を増やして、摂取エネルギー量を増やす
2.運動量を減らして、消費エネルギー量を減らす
とくにトレーニング量が多い時期は、それに見合った量の食事を摂る必要があるでしょう。
最近では糖質制限などさまざまな食事方法を耳にしますが、スポーツに励む方の基本的な食事は「バランスのよい食事」です。
・ご飯、パン、麺などの主食
・肉、魚、卵、大豆製品などの主菜
・野菜、きのこ、海藻などの副菜
・牛乳、乳製品
・果物
これらを揃えた食事を摂ることで、身体に必要なエネルギーや栄養素を補えます。
まとめ
自分1人で悩まずに、親やコーチ、医師など話しやすい人に相談してみるのもよいですね。
参考文献
文部科学省 Conditioning Guide for Female Athletes
日本スポーツ振興センター Health Management for Female Athletes Ver.2