
GSMと骨盤底障害②
※本記事は、医師による執筆記事です。
骨盤底の障害部位で、排泄のトラブルの症状は違う。(インテグラル理論)
骨盤底のトラブルによる疾患の総称が、骨盤底障害です。骨盤底は、妊娠・出産・加齢・閉経・生活習慣等で痛みます。
この骨盤底障害の症状を説明する理論の一つが、P.P.PETROSが唱えたインテグラル理論です。
この理論では、骨盤底を前方・中央・後方に分けて、解剖学的異常と症状を考えます。
前方が損傷すると尿道がたれさがる尿道瘤になります。症状は、咳やくしゃみで尿モレする腹圧性尿失禁や、運動した時に便失禁が起こるとされます。
中央部が損傷すると膀胱が腟の中にたれてくる膀胱瘤になります。症状は、排尿困難や、頻尿・尿意切迫等が起こります。
後方が損傷すると子宮脱・小腸瘤・腟脱などになり、中央部が損傷した時に起こる症状に加えて夜間頻尿や骨盤痛が起こります。
治療は、まずは骨盤底トレーニングです。効果がない場合はレーザー治療や、ポリプロピレンテープを移植する手術を行います。