
肌の再生医療 ― リジュラン、PRP、真皮線維芽細胞移植の違いは?
そんな悩みに応えるのが、近年注目されている“肌の再生医療”です。
その中でも代表的なものが、リジュラン(サーモン注射)、PRP療法、真皮線維芽細胞移植の3つです。
それぞれ作用の仕組みや施術までの流れが異なるため、自分の目的やライフスタイルに合わせた選択が大切です。
DNA配列が人間と類似しており、肌細胞の修復力を高める作用があると言われています。
目元の小ジワや頬の毛穴、乾燥による肌の変化に効果があり、ハリ感のある若々しい印象に導きます。
注射用製剤として製品化されており、塗る麻酔などの準備が終わればその日のうちに施術が可能で、比較的手軽に受けられるのが魅力です。
採血を行い、遠心分離機で血小板を濃縮した「多血小板血漿(PRP)」を抽出し、それを肌に注入します。
血小板に含まれる成長因子の力でコラーゲン生成を促し、肌の再生を活性化します。目の下のくすみ、小ジワ、肌のキメやハリの改善などに向いています。
自分自身の血液を使うため、アレルギーのリスクが少なく、安全性の高さも特長です。
一部のクリニックでFGFという線維芽細胞増殖因子を添加したPRP療法を行っている施設もあります。
皮膚のコラーゲンやエラスチンを作る線維芽細胞の増殖を促す薬剤といわれているのですが、PRPとともに皮膚に注入することでしこりや過剰なふくらみのトラブルも報告され、学会からも行わないよう推奨されています。
私が勤務する施設では行っていません。
FGF入りPRP療法を受ける際は、施設でのリスク説明だけでなく、ご自身でしっかり調べ納得された上での施術をお勧めします。
「FGFなし」のPRP療法については、私自身はいい治療法だと考えています。
血液と耳の裏などから少量の皮膚を採取し、そこから線維芽細胞を取り出して数週間培養した後に顔へ注入します。
コラーゲンを作る主役である線維芽細胞を補うことで、肌の構造を内側から改善することが期待されます。
施術までに時間と手間がかかりますが、そのぶん自然な肌再生を促すことができます。
こちらも自分の組織を使うため、アレルギーの心配はほとんどありません。
私自身は時間の制約などで受けたことはないのですが、定期的に受けられている方(私自身が注入を担当させていただいている方)によると、自分の肌を触れたときに違いを感じるとお聞きしています。
いずれもいい治療ではありますが、複数回治療が必要です。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選んでください。