
多様な性のあり方を考える―一人ひとりが自分らしく生きるために―
今までは「男性」と「女性」という2つの枠組みで性を捉えてきましたが、実際の性のあり方はそれほど単純ではありません。
最近では、多様な性のあり方についての発信が増えています。
そこで今回は、多様な性のあり方や一人ひとりが自分らしく生きるための社会について考えてみましょう。
「LGBTQIA」とは
さまざまな性的マイノリティを表す頭文字を並べたものです。
具体的にどのような指向をもった人か、以下に紹介します。
• L(レズビアン):女性を好きになる女性
• G(ゲイ):男性を好きになる男性
• B(バイセクシュアル):男性も女性も好きになる人
• T(トランスジェンダー):出生時に割り当てられた性と自認する性が一致しない人
• Q(クエスチョニング/クィア):自分の性自認や性的指向を探索中の人、または既存の枠組みに収まらない人
• I(インターセックス):体の性が典型的な男性・女性の特徴と異なる人
• A(アセクシュアル):他者に対して性的欲求をほとんど感じない人
日常に潜む「無意識の思い込み」
10人に1人とすると、自分が当てはまらなかったとしても、身近なところに当事者がいる可能性がありますよね。
一方で、2020年に行われた調査結果では、性的マイノリティのうち78.8%が誰にもカミングアウトしていない、という結果が報告されています。
カミングアウトしたいと考えた人ができるような環境にするには、どうすればいいのでしょうか。
「理解」から「尊重」へ
言う側に悪気はなくても、さまざまな人の存在を無視してしまう可能性があるのです。
たとえば、合コンで「彼氏いるの?」と何気なく聞いてしまうこと。
これは相手が異性愛者であることを前提とした質問です。
こうした「当たり前」を疑い、見直してみましょう。
もし身近な人が「実は私、同性を好きになるんだ」と打ち明けてきたら。
あるいは「自分は、体の性別とは違う性を生きている」と話してくれたらとしたらどうでしょう。
自分とは違う価値観だと聞いた時、あなたはどんな反応するでしょうか。
多様な性について知ったら、次はお互いを尊重することを心がけましょう。
まず、言葉の選び方に意識を向けてみましょう。
「彼氏や彼女はいますか?」ではなく「パートナーはいますか?」と聞いてみると、相手の性的指向を限定せずに会話ができます。
職場では、採用面接で性別欄を必須としない、多目的トイレの設置、パートナーシップ制度の導入など、組織レベルでの取り組みも増えてきています。
家庭では、子どもに対して「男の子だから」「女の子だから」という理由で趣味や服装を制限しないことが、子どもの可能性を広げることにつながるでしょう。
特別なことをしなくても、私たちにできることはたくさんあります。
さらに活動したいと思ったら、「アライ(Ally)」として行動するのも1つの方法です。
アライとは、性的マイノリティの当事者ではないけれど、性の多様性を理解し、支援する人のことです。
差別的な言動を見かけたら声をあげる、多様性を認め合うイベントに参加するなど、できることから始めてみましょう。
まとめ
一人ひとりが自分らしく生きられる社会を目指す上で自然なことです。
多様な性を認め合う社会は、性的マイノリティの人だけでなく、すべての人にとって住みやすい社会でもあります。
「こうあるべき」という固定観念をなくすことで、誰もが自分らしく生きやすくなるでしょう。
多様性を認め合える社会は、きっと今よりもっと豊かで多彩なものになるのではないでしょうか。
1)特定非営利活動法人東京レインボープライド LGBTQ+とは 性はグラデーション
https://tokyorainbowpride.org/learn/lgbtq/
2)電通報 LGBTQ+をめぐる人々の意識は?~最新調査レポート
https://dentsu-ho.com/articles/8721
3)株式会社LGBT総合研究所 LGBT行動意識調査2019」よりトピック紹介
https://hipstergate.jp/wp-content/uploads/191126_Release.pdf