
更年期障害になりやすい人の特徴10選
更年期は、45歳~55歳に起こる閉経(生理の停止)の前後5年間のことを言います。この期間は、卵巣機能の低下により、女性ホルモン(主にエストラジオール)が不規則にアップダウンしながら、最終的に10分の1程度に減少します。この期間に起こる、
1)血管運動症状(ホットフラッシュ)
2)自律神経失調症状(めまい、たちくらみ、不眠、全身倦怠感、頭痛、全身の痛みやかゆみ他)
3)精神神経症状(抑うつ、イライラ)
等を更年期症状と言い、更年期症状で生活の質(QOL)が落ちる時に更年期障害といいます。更年期には全ての女性がなりますが、更年期障害になるかならないかは人によります。どんな人が更年期障害になりやすいのでしょうか?
今回は、更年期障害になりやすい人10選をご紹介していきます。一つでも当てはまるという方は意識して改善していくよう心がけましょう。
①完璧主義である
40代以降は脳も体も老化するので、それ以前より1日でできる労働量は小さくなってきます。それなのに、以前と同じ仕事量をこなそうとすると、心身の過労につながります。心身の過労は脳下垂体の機能低下を誘引し、更年期症状が強く出現する可能性があります。40代以降は、達成可能な仕事量は2分の1とあきらめて、量より質で勝負しましょう。
②仕事ができる女である
更年期症状は、女性ホルモンの不規則なアップダウンを原因とする脳下垂体の機能低下です。そのため心身の知覚過敏状態になります。
もともと細かいことに良く気がつくタイプの仕事のできるタイプの女性は、今までは気がついていても目をつむっていた出来事を無視できなくなってしまい、イライラや抑うつを感じやすくなります。このため、本来ならば熟練しもっとも油の乗った時期に仕事をやめてしまう人がいます。
更年期は必ず終わり、ポスト更年期には更年期障害はほとんど改善しますので、しっかり更年期障害の治療をすると共に早まって大きな人生の決断をしないようにしましょう。
③人格者であると周りから言われている
人格者と言われている人の中には、しかたなく嫌なことを我慢している人も多いものです。他人の目を気にして、嫌なことをしかたなくしているととてもストレスが溜まります。その結果、セロトニン・アドレナリン・ドーパミン等の脳内ホルモンのバランスが悪くなり、ややうつぎみで日々を過ごしている場合も多いのです。
そうすると女性ホルモンがアップダウンしながら低下するという更年期の性ホルモンの変化をとても辛く感じます。更年期障害がつらいと感じたら、他人の意見は気にせずなるべく嫌なことはしないで、楽しいことをするようにしましょう。
④家事をテキパキこなす良き妻である
②と同様の原因ですが、さらに仕事ができるタイプの女性には、頑張れば社会的評価という賞賛を得られますが、家事だと残念ながら現代の社会的評価は低く、さらに夫や子供等の家族が家事労働を評価してくれないと、孤立して更年期症状がさらに深刻になることがあります。
⑤子供・親や配偶者のケアをするのは、自分の責任だと思っている
子供や親、配偶者のケアはとてもやりがいがあり楽しく、社会的に意義があることです。しかし義務感や責任感が強すぎると、更年期は体力が低下して行える労働量が減ってくるので、自分が考えている義務や責任が果たせなくなり、心理的にストレスがたまり、更年期症状をつらく感じるようになります。家族のケアはできる範囲で行うようにしましょう。
⑥夫は、言ってもわからない人だと思っている
夫や配偶者が、自分の小さな日々の悩みを聞いてくれない、理解してくれないと感じてきる女性は、孤独感や疎外感が増大して精神的ストレスが増し、更年期症状が悪化することがあります。
まずは諦めずに自分の悩みをパートナーに話してみましょう。その結果やはり“わかってもらえない”という結論ならば、友人やカウンセラー等に頼って話を聞いてもらい、悩みは小さいうちに解決しましょう。
⑦生理のトラブルがある
月経過多や月経痛などがある人は、更年期前の性成熟期の時から女性ホルモンのアップダウンが大きいか、脳下垂体の機能低下による知覚過敏傾向がある人です。
もともと女性ホルモンのアップダウンによる症状がある人は、更年期に入るとさらに更年期症状が悪化することがあります。
⑧月経前症候群がある
⑦と同様に、月経前症候群のある人は女性ホルモンのアップダウンが大きかったり脳下垂体の機能低下による知覚過敏傾向があるため、女性ホルモンの変化による症状が出やすい人です。これらの人が更年期にはいると更年期症状も大きくなる可能性があります。
⑨運動を定期的にしていない
定期的に運動すると精神的ストレスや肉体の痛みや違和感などへの耐性が上がり、更年期症状に耐えることができるようになります。
特にランニングや速歩、エアロビクス等のリズム運動はセロトニン分泌を促進し、筋トレは血中のテストステロン(男性ホルモン)を増やすのでお勧めです。
⑩マッサージやヨガ、温泉入浴などのリラクゼーションを定期的にしていない
マッサージやヨガ、温泉入浴などはリラクゼーション効果が大きく、日々の緊張をうまくコントロールすることに寄与します。更年期になったら仕事や家事はほどほどにして、リラクゼーションに時間とお金を使うようにしましょう。