GSMと骨盤底障害③
※本記事は、医師による執筆記事です。
GSMは、比較的あたらしい概念
閉経による性ホルモン分泌低下によって生じる尿路生殖器の萎縮等の形態変化およびそれに伴う不快な身体症状や機能障害の総称で、従来のVulvovaginal atrophy(萎縮性腟炎)という単語に比較して、症状・病態を包括的に説明する概念です。
50歳前後で女性は、女性ホルモン(エストラジオール)が10分の1,男性ホルモン(テストステロン)が4分の3になります。その影響でフェムゾーン(腟と外陰)の粘膜が薄くなり、皮下組織の結合組織の量が減ります。そして腟内の分泌液が減少し、腟内PH(ペーハー)が酸性から中性に傾き、常在菌が減り感染症が増えていきます。
3徴は、
1)陰部の乾燥感・痛み等の不快感。
2)性交痛他のセックストラブル。
3)尿トラブル(頻尿・尿漏れ・再発性膀胱炎)です。
外陰部所見に尿道口円形化と腟前庭の乾燥があればGSMです。予防は外陰・腟の保湿と性交渉の継続さらに日々の骨盤底トレーニングです。