「20代で生理不順なのはなぜ?」 「生理不順を改善する方法は?」といった悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
生理不順は、20代女性でも決して珍しい症状ではありません。ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣などが原因となります。
この記事では、その具体的な原因や対処法を解説します。
通常、生理周期は25〜38日で、出血期間は3日から7日、経血量は20〜140mlです。
この範囲内に収まっている場合、生理周期は正常とされますが、体質によって個人差があります。
出典:
産婦人科診療ガイドライン2023 P109
生理不順は、生理の周期や出血状態に異常が生じることです。
生理は通常、卵巣ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によって調整され、脳(視床下部・下垂体)から卵巣、子宮へと信号が送られることで正常に進行します。
しかし、これらのどこかに異常が起こるとホルモンバランスが乱れ、生理が不規則になります。
生理周期が24日以内の場合は「頻発月経」、39日以上では「稀発月経」、3か月以上来ない状態は「無月経」とされます。
20代の生理不順は、さまざまな要因が関与しています。具体的な原因と対処法を、以下に解説します。
過度な食事制限や激しい運動によるエネルギー消費が続くと、脳内の視床下部が抑制され、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌が低下します。その結果、無月経や排卵抑制が起こりやすくなります。
不規則な生活はホルモンバランスを乱し、生理不順を引き起こしやすくなります。特に仕事が忙しい20代では、コンビニ食やファストフードへの依存、夜更かしによる睡眠不足がホルモンの不調を招くことがあります。
20代は、仕事や人間関係などでストレスを抱えやすい時期です。強いストレスは自律神経を乱し、女性ホルモンの分泌に影響を与えます。また、過剰な美容への意識も、体脂肪率の低下や卵巣機能の低下を招き、生理不順の原因となります。
生理不順が続く場合、以下のような病気が隠れている可能性があります。
生理不順が続く場合は、これらの病気が潜んでいる可能性があるため、早めの受診と診断が重要です。適切な治療により、症状の改善が期待できます。
生理不順が続くと、排卵日の予測が難しくなり、不妊や流産のリスクが高まる可能性があります。
また、エストロゲン不足により骨密度が低下し、骨粗しょう症になる恐れがあります。さらに、ホルモンバランスの乱れでエストロゲンが過剰に分泌されると、子宮内膜が増殖し、子宮体がんのリスクが上昇することもあります。
生理不順を改善するためには、日常生活の見直しや体調管理が大切です。
正しい生活習慣を身につけることで、ホルモンバランスを整え、生理周期の安定につなげることが期待できます。
基礎体温の記録は、排卵や生理周期の予測に役立ちます。ホルモンバランスや体調変化の把握にもつながるでしょう。手軽に記録するためには、スマートフォンアプリの活用もおすすめです。
生理不順を改善するためには、規則正しい生活リズム、バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけましょう。
大豆製品や亜鉛を含む食品を摂取したり、寝る前のスマホ使用を控えたりするのもおすすめです。運動はウォーキングやヨガなど適度なものが推奨され、過度な運動は避けましょう。
ストレスは生理不順の大きな要因の一つです。仕事や人間関係のストレスをうまく発散するためには、趣味やリラックスできる時間を持つことが大切です。美味しいものを食べたり、好きなことをするなど、自分に合った方法でリフレッシュしましょう。
生理不順は、ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣などが主な原因です。規則正しい生活、適度な運動、ストレスコントロールによって改善が期待できます。
ただし、生理不順が長期間続く場合は病気が隠れている可能性もあるため、早めに婦人科を受診し、適切な診断を受けることが大切です。