高血圧が引き起こす病気・予防について
※本記事は、医師による執筆記事です。
40歳以上の人が陥りやすい生活習慣病
そして治療しないと、動脈硬化が進み、発症20~30年、つまり60~70歳に心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化による血管の病気で死亡します。これが哺乳類としての人間の自然史なんですね。
しかし、治療すれば動脈硬化の進展を遅らせることができます。昔より平均寿命が延びている原因の一つは、この生活習慣病の予防知識の普及や啓発が一役をかっています。
高血圧の予防・治療
しかし遺伝の影響が強い病気ですから、両親のどちらかが高血圧で、自分が40歳以上になり、血圧が高くなって、予防の努力をある程度しても、血圧が125mmHg/75mmHg以下にならない場合は、医師が処方する降圧剤を、“血管を守るサプリメント”であると考えて、気軽に飲むことをお勧めしています。
一方65~70歳以降は、そろそろ動脈硬化が進行しているので、あまり厳しく血圧をコントロールすると脳をはじめとする全身の血流障害により、めまい・立ち眩みなどの自律神経失調症状や原因がはっきりしない全身倦怠感を発症することがあるので、降圧剤は少な目に使用して、減塩や食事・運動の努力をするとともに、あまりストレスをためない、のんびりした規則正しい生活に移行するようにしたほうが良いでしょう。