
避妊と人工妊娠中絶の種類とリスク
避妊について
ステディーなバートナーと、コンドームなしのセックスをしたい場合は、低用量ピルの内服をお勧めします。
低用量ピル
しっかり毎日飲めば99%の避妊率です。
安全性も高く、ニキビや月経前症候群などの、月経周期によって症状が悪化する疾患の場合は、低用量ピルを飲むことによって症状が改善します。
一方、性欲低下などの副作用もあるので、セックスするためにピルをはじめたのに、セックスする気がしなくなったという場合は、ピルの種類を変える必要があります。
また少ない確率ですが、血栓症のリスクもあるので、片足が痛くなったりしたら、すぐにクリニックを受診しましょう。
最近は、低用量ピルは、オンライン診療で、気軽に手に入れることができるようになりましたが、副作用の管理を考えると、かかりつけのクリニックで処方してもらうほうがよいでしょう。
費用は、1か月分は2000~3000円くらいです。
避妊目的だけではなく、ニキビや月経困難症の治療のために低用量ピルの飲む場合は、健康保険の適応になります。
ミニピルは、黄体ホルモンのみを含有するピルで排卵を抑えます。
授乳中の女性やエストロゲンを避けたい場合に使われます。
緊急避妊ピル
性行為後、72時間以内に服用することで、妊娠のリスクを減少させるためのものです。
「コンドームが破れてしまった」 「コンドームを使用せずセックスをしてしまった」ような時は、緊急避妊ピルの内服をおすすめします。
72時間以内に緊急避妊ピルを処方してくれるクリニックや薬局があるので、迷わずインターネットなどで探して連絡し、処方してもらいましょう。
かかりつけクリニックがあれば、この場合も気軽に処方してもらえますね。
費用は7000~10000円くらいです。
望まない妊娠について
中絶できるのは、22週までです。
具体的には、通常は生理が来なくなって1週間目に妊娠を確認した時は、5週です。その後3か月以内に中絶しないと、原則的には、出産することになります。
注意してください。
内服薬による中絶
これは通常は妊娠9週目以内で行われます。
2種類の薬剤を、時間をずらして内服すると、8時間以内に90%前後の中絶が達成されます。
手術中絶
「吸引法」(吸引掻爬法)、「拡張・掻爬法」などがあります。
費用は、内服法も手術法も、10~15万円くらいです。
人口中絶のリスク
内服にしろ、手術にしろ、クリニック内に半日~1日経過観察のために滞在します。
主な合併症は、薬剤内服中絶の場合は、吐き気や嘔吐、腹痛、出血などの副作用を認めることがありますが、軽度の場合は吐き気止めや痛み止めなどで経過観察をします。
稀ですが、重篤な合併症としては大量出血、子宮内感染症、手術法の場合は子宮や他の臓器への損傷などがあります。
手術後にめまいや動悸が起こるような大量出血、発熱の持続、痛みの持続などがあれば、退院後でも速やかにクリニックに連絡をしましょう。
正常に人工中絶が行われた場合は、不妊症や将来の妊娠に影響を与える可能性は低いです。
しかし何度も人工妊娠中絶を行うと、身体的にも心理的にも女性の負担が大きくなります。
ですから避妊を行うことをおすすめします。