
未来の自分のために!若いうちから知っておきたい喫煙のリスク
「家族が吸っているから」 「友人に勧められたから」
タバコに関心を持つきっかけは人それぞれでしょう。
では、喫煙の開始年齢が低いとどのような影響があるか知っていますか?
今回は、喫煙が及ぼす身体への影響について解説します。
喫煙が及ぼす影響
どのような影響があるのか、順に見ていきましょう
運動能力の低下
なぜなら、タバコには大量の一酸化炭素が含まれるからです。
タバコを吸って一酸化炭素が体内に入ると、酸素を運搬する働きのあるヘモグロビンにくっつきます。
そうすると、ヘモグロビンは酸素を身体の隅々まで十分に運べなくなるのです。
海外で行われた「12分間で何メートル走れるか」を測定した持久力テストでは、タバコを吸わない群が最も長い距離を走りました。
また1日の喫煙本数が多い群ほど、走行距離が短く持久力が低いと報告されています。
知的能力の低下
タバコを吸うと短時間でニコチン(※)が脳に届くため、ホッとした気分が味わえます。
(※)ニコチンは依存性の高い毒物で、体内に取り込まれると心地よさをもたらす
しかし、30〜60分ほどで集中力が途切れてしまうのです。
そのため喫煙者は集中力が続かず、知的能力の低下につながります。
喫煙している人がかかりやすい病気
おもな病気はがん、循環器疾患、呼吸器疾患です。
がん
・呼吸器系:肺がん、喉頭がん
・消化器系:口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん
・泌尿器系:腎盂がん、尿管がん、膀胱がん
・生殖系:子宮頸部がん
循環器疾患
(※)COPDとは、気管支や肺が炎症を起こして呼吸機能が低下する病気
とくに、COPDは発症原因の90%以上が喫煙といわれています。
誰でも加齢とともに肺の機能は低下するものですが、喫煙者はより急速にそれが起こってしまうのです。
そのため喫煙歴が長い方は、65歳ごろになると咳や痰の量が増え、階段を上るときに息苦しさを感じることもあるでしょう。
「18歳で成人しても喫煙は20歳から」はなぜ?
なぜなら、喫煙を始める時期が早いとニコチンへの依存度が高くなり、禁煙しにくくなるからです。
そのため、喫煙年数や生涯の喫煙量が多くなり、病気の発症リスクが高まります。
さらに身体が未熟なときから喫煙すると、肺の機能低下や発育障害、喘息、腹部大動脈の動脈硬化を引き起こすことも知られています。
未来の健康を守るためにも、20歳未満の喫煙は避けましょう。
受動喫煙も健康に影響を及ぼす
タバコの煙には喫煙者が吸う「主流煙(しゅりゅうえん)」と、たばこの先端から出る「副流煙(ふくりゅうえん)」があります。
副流煙には主流煙より多くの有害物質が含まれるため、非喫煙者であっても受動喫煙の機会が多いと健康に悪影響を及ぼします。
たとえば夫からの受動喫煙があると、非喫煙者の妻は肺がんの発症リスクが約30%高まるそうです。
また、親が屋外や換気扇の下で喫煙している子どもは、両親ともに非喫煙者の子どもより尿中ニコチン量(※)が3倍以上高く、受動喫煙の程度が高いとの報告もあります。
(※)尿中ニコチン量は、受動喫煙の程度を示す指標の1つ
まとめ
好奇心や一時的なストレス発散のためとタバコに手を出す前に、まずは正しい知識を身に付けましょう。
未来の自分を守るのは、あなた自身です。
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりネット~ 若者の健康と喫煙
国立研究開発法人国立がん研究センター 成人年齢とたばこについての世論調査結果 成人18歳、喫煙20歳年齢制限下の意識や課題を調査
一般社団法人日本動脈硬化学会 若者に禁煙を進める
日本医師会 すすめよう禁煙