
妊娠や出産にも影響?女性の喫煙がもたらすリスクとは
女性の喫煙は、妊娠や出産、生まれてくる赤ちゃんにも悪影響があると報告されています。
さらに、今はまだ想像しにくいかもしれませんが、閉経後の骨にも悪影響を及ぼします。
ちょっとしたことで骨折するなど、将来自立した生活が送りにくくなるかもしれません。
この記事を読んで、喫煙のリスクを知り、未来の自分について考えてみましょう。
喫煙が女性の身体に及ぼす影響
・妊娠しにくくなる可能性
・妊娠中のトラブルを引き起こす可能性
・胎児に影響が出る可能性
・病気のリスクが高まる
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
妊娠しにくくなる可能性
たとえば、女性本人やパートナーが喫煙者の場合、避妊を止めてから妊娠するまでの期間(受胎待ち時間)が長くなると知られています。
受胎待ち時間が6ヶ月未満の群と比べて、6ヶ月以上の群では妊婦やパートナーの喫煙率が高くなるようです。
また妊娠可能な期間(初経から閉経までの期間)は、女性本人が喫煙者の場合、そうでない方と比べて短くなることも報告されています。
妊娠中のトラブルを引き起こす可能性
常位胎盤早期剝離とは、妊娠中に胎盤が剥がれ落ちてしまうことです。
お腹の中の赤ちゃん(胎児)は胎盤を通して酸素や栄養を受け取っているため、胎盤がはがれると胎児は危険な状態になります。
ゆえに、常位胎盤早期剝離になると25〜30%の胎児は死亡するとされています。
また母体も大量出血によって、命の危険にさらされます。
胎児に影響が出る可能性
妊娠中の喫煙期間が長いほど早産のリスクが高まり、喫煙本数が多いほど出生体重や身長を減少させることもわかっています。
さらに妊娠中の喫煙や生まれてきた子どもの受動喫煙は、乳幼児突然死症候群(※)とも関連があるとされています。
(※)乳幼児突然死症候群とは、元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまう病気のこと
その他
喫煙は、女性特有の病気である子宮頸がんのリスクを高めます。
子宮頸がんにおいて最大の危険因子は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。
タバコに含まれる発がん性物質は、HPV感染を促進させると考えられています。
さらに、発がん性物質は免疫機能を低下させることも知られています。
そのため喫煙するとHPVが持続感染しやすくなり、発がん性を高めるともいわれています。
閉経後の骨密度低下
喫煙は、骨の健康にも悪影響を及ぼします。
喫煙すると、閉経後に骨密度が低下しやすくなるとわかっているのです。
これは喫煙によって、女性ホルモンの1種であるエストロゲンの分泌が低下することなどが要因と考えられています。
骨密度が低下すると骨がもろくなり、つまずいたりくしゃみをしたりとわずかな衝撃で骨折しやすくなります。
骨折すると日常生活に支障が出るだけでなく、寝たきりになる可能性もあります。
自立した生活を送るためにも、骨の健康を維持することが大切です。
まとめ
また、がんや骨密度など、将来の健康にも大きくかかわります。
あなたの身体や周りの人を守るためにも、タバコとの付き合い方を見直してみましょう。
この記事が、喫煙のリスクを正しく知る、将来の健康について考えるきっかけとなれば嬉しいです。
厚生労働省
健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~
女性の喫煙・受動喫煙の状況と、妊娠出産などへの影響
喫煙者本人の健康影響
喫煙によるその他の健康影響
厚生労働省 「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」
国立研究開発法人国立成育医療研究センター 胎盤がはがれる、常位胎盤早期剥離について