
セックスに関する知識不足が原因?若年層にも多い「性交痛」について解説
セックスの際の挿入時・ピストン運動中・オーガズムに至る際等に女性側が痛みを感じることを一般的に性交痛といいます。
「性交痛」と聞くと、更年期の女性のトラブルと考える方も多いと思います。しかし若い女性も、性交痛に悩まされることは実は多いのです。
今回は性交痛でお悩みの方に、原因と対処法について記述したいと思います。
もっとも多い原因は、セックスに関する知識不足
セックスの経験の少ない女性の場合は、リラックスできる環境でリラックスできる相手にゆっくり前戯(ぜんぎ)をしてもらって、興奮し充分に腟が濡れてからゆっくりペニスを腟に挿入してもらわないと痛いのです。
男性の場合は視覚やベニスに対する触覚ですぐに勃起できますので、セックスの経験の少ない男性は自分基準で前戯を行い、女性の表情を見て、この位でよいかと判断して挿入しますが、女性のほうも経験値が低いとまだまだ興奮状態ではないのに男性にそのことを伝えられません。
そして準備がまだできていないのに、挿入がはじまることが性交痛の第一の原因です。
でも男性が女性に“興奮してきた?”とか、もう大丈夫?“とか聞かれても、経験の少ない女性にはわからないことも多いのです。
ですから痛いときは、”痛い“とはっきり伝え、痛くないセックスを探すのが性交痛改善の第1歩ということになります。
性感帯や性交痛の少ない体位を知ろう
一般的に、女性の性感帯は
①クリトリス→②Gスポット(腟前壁、入口部から2~5cm付近)→③ポルチオ(後腟後蓋、腟の一番奥の後ろ側)
と発達していきますので、多様性はあるもののセックス経験の少ない女性の性感帯は、①②である可能性が高くなります。
そしてやさしくなでるような刺激のほうが、激しく強い刺激より効果的であるとされています。ですから優しいクリトリス刺激に充分時間をかけた後、正常位のセックスの場合は腟の奥に激しくペニスを打ち付けるセックスよりは、腟の入り口付近でベニスを抜き差しするほうが腟の締まりも腟入り口付近が一番強いので、男女とも快感を感じやすいということになります。
また、女性上位という体位は女性が自分で痛みなく体を動かせるので、性交痛の少ない体位です。
パートナーとの関係性も重要
繰り返しになりますが、女性側が痛い時は痛いと言えるパートナーとの関係性を築くのも非常に重要です。女性がオーガズムを感じるようになるのは、少し経験が必要です。女性はなるべく痛くないセックスをしているうちに、どこをどのように刺激するとオーガズムに至りやすいかを、パートナーとともに話合いながら探っていけるのが理想です。
婦人科疾患・ホルモンの問題の場合
セックスの知識不足や、コミュニケーション不足の問題がない場合には、婦人科疾患やホルモンの問題で性交痛が起こることが多くなります。
例えば子宮内膜症があると、腟の奥を刺激されると痛みを感じます。ですからセックスの際に腟の奥が痛む場合は、婦人科受診をお勧めします。
一方子宮内膜症などを含めて数々の婦人科疾患の治療のために低用量ピルが処方されることが多いですが、低用量ピルの内服では、女性ホルモン剤を内服により肝臓の性ホルモン結合タンパクが増えてしまい、女性ホルモンと類似の骨格をもつ男性ホルモンが低下してしまい、これが性的意欲低下や性交痛の原因になることがあります。
ですからピルを飲みだしてから性交痛が出現した場合は、ピルを一時中止してみることも重要です。