あの辛い時期がやってくる… それ、もしかしたら「PMDD」かも?
もしかしたら、それよりもっと深刻な月経前不快気分障害「PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)」かもしれません。
PMSは多くの女性が経験する、月経前に起こる様々な不快な症状の総称ですが、PMDDは、その中でも精神的な症状が強く、日常生活に大きな支障をきたすレベルにまで悪化してしまうものです。 今回は、PMDDの特徴や症状、そして具体的な対処法についてご紹介します。
PMDDってどんな症状? PMSとの違いは?
具体的には、次のような症状が現れます。
PMSでよくある症状が以下だとすると
● 頭痛
● 乳房の張りや痛み
● 腹痛、腰痛
● むくみ
● 肌荒れ
● 便秘や下痢
● イライラしやすくなる
● 気分が落ち込む
PMDDで強く現れる精神的な症状はイメージしやすくすると以下になります。
● 激しい感情の起伏: 些細なことで急に怒り出したり、泣き出したり、感情のコントロールが難しくなる。
● 抑えられないイライラ: 周囲の人に当たってしまったり、普段ならしないような行動に出てしまう。
● 強い不安感や緊張: 理由もなく不安を感じたり、パニック発作を起こす。
● 深い悲しみや絶望感: 何事にも興味がなくなり、虚しさや無力感に襲われる。
● 集中力の低下: 仕事や勉強に集中できず、ミスが増える。
● 疲労感や倦怠感: 体がだるく、何もする気力が起きない。
● 睡眠障害: insomnia(不眠)やhypersomnia(過眠)など、睡眠パターンが乱れる。
● 食欲の変化: 食欲が増進したり、逆に全く食べられなくなったりする。
これらの症状は、一般的に月経が始まる1~2週間前に現れ、月経開始後数日で軽減するのが特徴です。
しかし、PMDDの場合はその症状の重さがまるで違います。イメージとしてはまるでジェットコースターのように感情が乱高下し、日常生活を送ることさえ困難になるケースも少なくありません。
PMDDの原因は? どうやって診断するの?
PMDDの診断は、精神科医または婦人科医によって行われるのが一般的です。「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)」に基づいて、上記の精神的な症状が、少なくとも1年間のほとんどの月経周期で現れているかどうかを確認します。
PMDDへの対処法: 辛い症状を和らげるために
①生活習慣の改善: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、基本的な生活習慣を整えることが大切です。カフェインやアルコールの摂取を控えることも有効です。
②ストレスマネジメント: ストレスはPMDDの症状を悪化させる要因の一つです。ヨガ、瞑想、アロマテラピーなど、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけて、ストレスを上手にコントロールしましょう。
③認知行動療法(CBT): 負の思考パターンを修正し、感情をコントロールするスキルを身につけることで、症状の改善に繋がる場合があります。
④薬物療法: 抗うつ薬(SSRI)や低用量ピルなどのホルモン療法が有効な場合もあります。症状が重い場合は、専門医に相談し、適切な薬を処方してもらいましょう。
⑤周囲の理解とサポート: PMDDは、周囲の理解とサポートが不可欠な疾患です。家族や友人、パートナーに症状を理解してもらい、辛い時期にはサポートをお願いしましょう。
PMDDとともに生きる: 自分を大切にする時間を見つけよう
まずは、自分の体と心の変化に耳を傾け、PMDDの可能性に気づくことが大切です。そして、一人で悩まずに、専門医や周囲の人に相談し、サポートを求めましょう。