生活習慣病の一つ「糖尿病」について解説します
※本記事は、医師による執筆記事です。
40歳以上の人が陥りやすい生活習慣病
そして治療しないと、動脈硬化が進み、発症20~30年、つまり60~70歳に心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化による血管の病気で死亡します。これが哺乳類としての人間の自然史なんですね。
しかし、治療すれば動脈硬化の進展を遅らせることができます。昔より平均寿命が延びている原因の一つは、この生活習慣病の予防知識の普及や啓発が一役をかっています。
糖尿病の種類
1型は遺伝やウィルス、免疫などの影響が強く比較的若年で発症して、早期からインシュリン注射などが必要な病型です。一方2型は遺伝やウィルス、免疫などの影響が弱く、食習慣の偏りによる肥満や運動不足・加齢などにより発症します。まずは生活習慣を是正して、まずは内服薬などで治療を開始します。
糖尿病の診断
ところで、ヘモグロビンという赤血球内のタンパク質の一種があります。全身の細胞に酸素を送る働きをしていますが、血液中のブドウ糖がヘモグロビンとくっつくと糖化ヘモグロビンになります。糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものがHbA1c です。HbA1cは過去1~2ヶ月前の血糖値を反映します。
当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。これが6.0%以上だと、糖尿病を強く疑うので、クリニック受診が必要です。最近の検診では、このHbA1cも測ってくれることが増えています。
糖尿病の予防
さらに最近は、耐糖能障害のレベルのちょっとした血糖値の上昇も老化への影響が大きいということが、抗加齢の分野で言われるようになっています。ですから、寿命を短くしないためにはHbA1cを正常化しておくことが重要なんですが、美容のためには、HbA1cに影響を与えることが少ない食後高血糖などもあまりよくないということになります。糖尿病とは言われていない人でも、食後の甘いお菓子の食べ過ぎには注意なんですね。