繰り返す切れ痔はどうしたら治る?
切れ痔(裂肛)を繰り返してツライという方はいらっしゃいますか?
女性はホルモンバランスの変化やダイエットによる食物繊維摂取量の低下等で便秘を招き、硬便が通過することにやり肛門にキズ(切れ痔)ができてしまいやすい傾向があります。下痢でも肛門が切れてしまうこともありますが…。
通常の切れ痔であれば軟膏治療や便性コントロールで数日~1週間程度でよくなりますが、中には「どうしても繰り返してしまう、なかなかよくならない」という方がいらっしゃいます。
どうしてでしょうか?
繰り返す痔の原因は?
ご自身で便通管理を注意していただくのは大前提として、軟便剤や便秘用の坐薬などの処方で軟膏治療と共に排便コントロールもしていくことが必要なケースもあります。
いくら軟膏を頑張って注入しても、硬い便がきたらまた切れてしまいすぐ振り出しに戻ってしまうからです。
第二に、繰り返す切れ痔により、傷がデコボコしてきたり(見張りいぼや肛門ポリープの併発)、硬く伸びにくく(肛門狭窄)なることです。こうなると切れ痔も治りづらくなります。
そして治りづらくなると「デコボコ」も更に大きくなり狭窄も悪化するという悪循環に陥ります。
思い切って手術をしてしまったほうがいいこともあります。
一度狭くなった肛門は基本的には手術を行わないと元のようには拡がりません。
一般的には切れ痔は9割の方が軟膏治療でよくなると言われていますが、「最近お尻が拡がりにくく便が細い気がする」という方や、「繰り返す頻度が高くなってきた」という方、その他気になる症状のある方は、一度肛門科診察を受けることをおすすめ致します。
診察時の痛みは?
しかし、そのような時は「無理やり診察せずに軟膏治療等で症状が落ち着いたところで診察すべきだ」と肛門科医に成りたての頃に上司に教えられました。
無理やり診察してもトラウマになりかねないですし、慣れている先生なら初診時は肛門内まで診察しなくても、周りの皮膚の感じや突っ張りなどで、「切れ痔がありそう」と予想できることも多いです。
痛みが不安な方は、一度相談されてみてはいかがでしょうか。
みなさまが、外来で「はい、切れ痔ですね、軟膏出しておきますね」だけではなく、納得できる説明&治療を受けられますように。