乳がんにかかりやすい人ってどんな人?
現在、日本人女性の9人に1人が、生涯のうちに乳がんにかかると言われています。
この数は大腸がんや肺がんよりも多く、特に40代以降で罹患数がグッと高まる病気です。
しかし、そもそも乳がんとは一体どんな病気なのでしょうか。
また乳がんにかかりやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は、そんな他人事ではない乳がんの謎に迫っていきます。
乳がんとは
乳房は主に乳腺組織と脂肪組織から成り立ち、乳腺組織は母乳を作る「小葉」と、母乳の通り道である「乳管」から構成されています。
乳がんは特に「乳管」から発生するがんが多く、発病初期の状態であれば、手術などで治療が可能です。
ただし、乳がんの初期症状が顕著に見られることはあまり多くありません。
乳がんの症状として一般的なしこりも、ある程度大きくなってからでないと、皮膚の上からでは感じにくいものです。
他にも乳頭からの分泌物や皮膚の変化などの症状がありますが、日頃から念入りにチェックしていなければ、ご自身では気づきにくいでしょう。
乳房にがんが発生すると、がん細胞は血管やリンパ管を通って全身に転移します。
放っておくと治療が困難になってしまいますので、定期的な乳がん検診で異常がないか確認することが大切です。
乳がんにかかりやすい人
・初潮年齢が早い
・閉経年齢が遅い
・出産・授乳歴がない
・初産年齢が遅い
・閉経後に肥満傾向である
・喫煙・飲酒習慣がある
・乳がんにかかった家族がいる
・良性の乳腺疾患にかかったことがある
こうしてみると、乳がんの発症は女性ホルモンと関連があることが分かります。
特に月経周期の調整に関わる女性ホルモン「エストロゲン」との関係が指摘され、一生のうちに月経回数が多い方が、乳がんのリスクが高まることが示唆されています。
また、乳がんには遺伝性も認められるので注意してください。
特に一親等の血縁者(親・子)が乳がんに罹患した場合は、乳がん発症リスクが高まると考えられています。
しかしながら、実際のところ、乳がんがなぜできるのかはいまだに解明されていません。
乳がん増加の背景には、食生活の欧米化や女性の社会進出、ライフスタイルの変化などがあると考えられています。
リスク因子に当てはまるからといって必ず発症するわけではありませんが、まずは喫煙や飲酒などの生活習慣を見直しましょう。
それに加えて、定期的に乳がん検診を受け、乳房に異常がないかをチェックすることも大切です。