痛くない乳がん検診を徹底解説【MRI編】
前回は「エコー」を使用した乳がん検診について解説しました。
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しかし痛みを伴わない乳がん検診は、他にもあります。
それは「MRI」を使用した検査方法です。
今回は、痛くない乳がん検診「MRI」について解説していきます。
MRIを使った乳がん検診は痛くない
乳房を板に挟んで圧迫しながら撮影を行うため、痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。
一方「MRI」による検査では、電磁波の力を利用して乳房内を観察します。
ベッドにくり抜かれた穴に乳房を入れて撮影するだけなので、痛みは全くありません。
MRIで乳がん検診を受けるメリット・デメリット
「痛みがない」以外の特徴を、詳しく確認していきましょう。
マンモグラフィやエコーによる乳がん検診は、基本的に乳房をあらわにして撮影しなければなりません。
それに対してMRIは服を着たまま撮影できるため、検査スタッフに乳房を見られないのが魅力です。
②被ばくの心配がない
放射線を使用するマンモグラフィとは違い、MRIは電磁波を利用して画像を撮影する検査です。
そのため被ばくのリスクはありません。
③乳腺量や技師のスキルに左右されにくい
乳がん検診で一般的なマンモグラフィは、乳腺が多い方はがんを見つけにくいと言われています。
またエコー検査は技師が手で機械を動かすため、技師のスキルに左右されやすい検査です。
それに対してMRIは、ベッドの穴に乳房を入れることで自動的に撮影される仕組み。
技師のスキルや乳腺量に左右されず、誰でも精度の高い検査を受けることが可能です。
乳がん検診において、MRIは比較的新しい検査方法です。
そのため導入施設がまだ少なく、受けられる施設が限られています。
②費用が高い
MRIによる乳がん検診の費用は施設によって異なりますが、2〜3万円程度が相場です。
マンモグラフィとエコー検査の両方を自費で受けたとしても1万円前後のケースが多いですので、それと比べてもMRIの費用は高いと言えます。
③乳がん検診による有効性は明らかになっていない
現在、乳がん検診における死亡率減少効果の有効性が明らかになっているのは、マンモグラフィ検査のみ。
MRIはがん発見が容易と言われていますが、有効性などは未だ研究段階です。
ご自身に適した乳がん検診を受けましょう
「痛みが怖い」「恥ずかしいのは嫌」と、乳がん検診から遠ざかっている方は、検討してみると良いでしょう。
ただし、日本で40歳以上の方に推奨されているのは、2年に1度のマンモグラフィ検査です。
痛くないMRIなどの検査もうまく取り入れながら、ご自身に適した方法で乳がん検診を受けましょう。
なお、どの乳がん検診が適しているか分からないという方は、かかりつけ医などにご相談ください。